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2013年2月25日月曜日

Adobe Readerをグループポリシーを使ってクライアントに一斉配布する方法

 社内のシステム管理をしているとクライアントのアプリケーションの更新に頭を悩ませることが多くなります。特にPCの台数が10台未満であればそれほど問題にならないのですが、ある程度まとまった台数になってくると特に更新頻度の高いソフトウェアでは非常に多くの時間が浪費されてしまいます。

 そこでWindows Serverを利用しているとグループポリシーを使って、インストーラ(MSIファイル)を自動的にすべてのクライアントに割り当てる方法について説明します。
 また、Adobe Readerの更新のようにmspファイルで配布される場合、グループポリシーのソフトウェア インストールでは更新できません。そこでスタートアップスクリプトを使用して更新する方法についても説明します。

■手順

  1. 再配布可能なAdobe Readerのインストーラを入手する
  2. インストーラからMSIファイルを抽出する
  3. グループポリシー「ソフトウェア インストール」に登録する
  4. グループポリシー「シャットダウン スクリプト」に登録する
  5. Windows XPの対策

■説明

設定手順は次の通りです。

1. 再配布可能なAdobe Readerのインストーラを入手する

 Adobe Readerを一斉配布するには、次のサイトから申し込みをして再配布可能なAdobe Readerを取得手に入れる必要があります。

2. インストーラからMSIファイルを抽出する

 AdobeのサイトからダウンロードしたインストーラファイルはEXE形式のため、そのままではグループポリシーで利用することができません。
 Adobe ReaderのインストーラからMSIファイルを取り出す必要があります。
  • インストーラファイルに”-nos_ne”のオプションをつけて実行する
  • 実行後、WindowsVista/7の場合「%ProgramData%\Adobe\Setup」に、WindowsXPの場合「%ALLUSERSPROFILE%\Application Data\Adobe\Setup」に保存されている、「AcroRead.msi」ファイルと「Data1.cab」ファイルを取り出す。
詳しい説明は次のサイトを確認してください。
Adobe Reader のMSI インストーラーを企業内配布用に抽出する

3. グループポリシー「ソフトウェア インストール」に登録する

 ドメインに参加しているクライアントのシステムがアクセスできる共有フォルダ(たとえば「\\ドメイン名\SYSVOL\...」など)に抽出したファイルを保存する。
 ドメインポリシーの「コンピュータの構成 → ポリシー → ソフトウェアの設定 → ソフトウェア インストール」を開き、メニューの「操作 → 新規作成 → パッケージ」から登録を行います。

4. グループポリシー「シャットダウン スクリプト」に登録する

 mspファイルに関してはソフトウェア インストール ポリシーが利用できないため、グループポリシーのスクリプトを利用します。
 また、スタートアップ スクリプトを使用しても同じことが実現できますが、PCが使用できるまでに時間がかかるため、ここではシャットダウン スクリプトを利用した例を説明します。
 ドメインポリシーの「コンピュータの構成 → ポリシー → Windowsの設定 → スクリプト → シャットダウン」を開きスクリプトを追加する。
 実行するファイルは「msiexec.exe」でパラメータには「/p "ファイル名.msp" /qn」という形で入力します。
 今回の例では次のようになります。
スクリプト名: msiexec.exe
パラメータ: /p "\\domain\SYSVOL\domain\scripts\Acrobat\AdbeRdrUpd11001.msp" /qn
スクリプト名: msiexec.exe
パラメータ: /p "\\domain\SYSVOL\domain\scripts\Acrobat\AdbeRdrSecUpd11002.msp" /qn

 5. Windows XPの対策

 これらのポリシーをWindows XPに適用しようとすると、インストールが実行されないことがあります。この場合Windows XPにパッチを適用する必要があります。
WindowsXPにWindowsServer2008のグループポリシーを適用する

2013/5/28 次の内容を修正しました

  • スクリプトを「スタートアップ」から「シャットダウン」に変更し、合わせて挿絵を変更しました。
  • 手順4のスクリプトのパラメータから「reinstall=all reinstallmode=vomus」を削除しました。

Windows XPにWindows Server 2008のグループポリシーを適用する

 Windows Server 2008以降のドメイン環境でWindows XPクライアントを使用していると、一部のグループポリシーが適用されないことがあります。
 適用されないポリシーの中には次のようなものがあり、ほかにもいろいろとあるとは思いますが利用するとかなり便利なものも含まれています。

適用されないものの例

  • ネットワークドライブの割り当て
  • ソフトウェア インストールの割り当て
  • など

■説明

  これらのグループポリシーはWindows Server 2008になってから追加されたもので、Windows XP発売時点では含まれていなかったポリシーです。これらのポリシーをWindows XP上ででも正しく機能させるためのパッチがMicrosoftから提供されています。
 このパッチをWindows XPに適用することでWindows Vista以降と同じようにポリシーを適用することができます。

 WindowsXPのサポート終了が1年ちょっとという時期になって今更ではありますが・・・